5、エミルー・ハリス

Emmylou Harris 1947-

最近は彼女の歌はあまり聴いてないが、一時1980年代は熱心に聴いたし、ラジオシティで姿も見た、スピーチも聞いた。
凄い女性だと思う。いつも自信満々だ。
1970年代後半にNHKのカントリーミュージックに解説をしていた人、名前は忘れた、機内音楽製作の仕事をお願いしたのだろう、アオイスタジオで待ち時間の間、話したことがある。
その時の話題が「エミルー・ハリス」だった。当時、彼女はアメリカで押しも押されぬ勢いであった。僕は伝統的な曲を伝統的に歌う人だと感じていたが、とんでもないフォークからロックまで、またその後は映画の主題曲なども手掛けた人だった。
NHK解説者が言ったことを覚えている。
「夫のブライアン・エーハン(Brian Ehan)が偉い。リッキー・スキャグス(Ricky Skaggs)などとの良いデユォをプロデュースしている。」と。
彼女は3回結婚していたが、2度目の夫がカナダ人の音楽家・プロデュサーのこの人で、カナダでアン・マレーの12枚のアルバムを演出した。アンは1974年、「スノーバード」(Snow bird)でグラミー賞を受賞した。ブライアンはエミリーのアルバム11枚をプロデュースした。

エミルー・ハリスはバーミングハム、アラバマの生まれで父親、マリンコ中隊長が朝鮮戦争中、共産軍の捕虜になって1年近く行方不明だったそうだ。彼女の音楽活動を読むと幾つかのエポックがある。まずはニューヨークに出た。ボブ・デュランに影響されたそうだ。
続いてロドニー・クローウエル、彼の音楽スタイルに共鳴した。
ミスターサンドマン」、この不朽の名曲を1946年のクラブのシーンに置き換え女性3人のスタイルが後にドーリー・パートン、リンダ・ロンシュタットとのコーラスになる。ハーモニーが抜群だった。3人で「トリオ」(Trio)と言うアルバムを出した。

50枚くらいのアルバムを出版したが、この時期「エリートホテル」、しゃれたサウンド、ビートルズを含む他人の曲を目的に合わせうまくアレンジしていた。
彼女のギターは特徴的だ。ギブソン特注でブルーグラススタイルの大きなものだ
「ホワイト・シューズ」このころ、カントリーのルーツ、「Down From The Mountain」
を語る。音楽も研究していた。グラミー賞14回受賞した。

Emmylou Harris 2006

歌唱力も抜群で今聴きなおして感じるのは、声に伸びがある、低音から高音までブレない。
普段は高音だ。権利を取りオリジナルを歌詞まで自分用に解釈する。
ホットバンド(Hot Band)と言うバックで自分のサウンドをいっぱいに表現する。多様のリズムに対応する。多くの歌手と絶妙なデュオを展開するなど。

彼女は娘2人がいて、孫もいるが、ますます熱心に、「地雷のない世界」に始まり各種の「動物愛護」などの社会活動だ。現在の若手女性歌手のSNS発信を電子的メデイアの無い時代からやっていた。ステージもうまい。自分で動き回りリズムを取りながらバンドを率いる。
自分でも20曲を書いた。[Red Dirt Girl ]が代表作だ。アルバムにちりばめてある。
それに数百曲、人の歌を唄った。多才な人だ。
アルバムの例
僕が好きなアルバムでは
Angel Band
Elite Hotel
White Shoes
Red Dirt Girl
Cow Girls Player
Blue Kentucky Girl by Johnny Mullians song by Roretta Lyn
Yellow Moon がある。
曲では、
One Of These Days
Making Believe
Together Again
Last Cheater’s Waltz by T G Sheppad
Invitation To The Blues
Hickory Wind
Today I Started Loving You Again 自分のオリジナル歌詞で終わりは逆の意味にした
Two More Bottles Of Wine
Hollow Stranger などのバラードだが、Rodney Crowel の
「Even Cowgirls Get Blues」が良い。 

彼女は半世紀にわたる歌手人生の間、ずっと美人で通した。グラミー賞のイベントでのスピーチでは理屈っぽいことを長々と話し、こんな女性かと少しガックリきたが、アメリカの南部女、かくありなんという意地で音楽をやっているのは恐れ入る。(以上)