「ホンキートンク」は映画西部劇に出てくる酒場を想像すればよい。
「飲む、打つ、買う」の出来る店だ。スゥイグギングドアーズを押し開いて入ると薄暗い、左手にバーがある。バーテンダーの後ろは鏡。
飲みながらでも入り口や内部が見える仕掛けだ。右手にはポーカーテーブルが3-4個。真ん中に2階に行く階段が、その左手、バーとの間にピアノが、階段と右手には女の子が2-3人(エンジェルと呼ぶ)エンジェルを選び、2階の個室に行く。そんな店で、恐らくそこで演奏されていた曲の数々がカントリーミュージックの元祖と考えられる。そんな店はもう無いと、考えるかもしれないが、その究極が「ラスベガス」だ。飲む、打つ、買う、それにショーや音楽の娯楽。
「ホンキートンク」はトンクと言うブランドのピアノから来たと言う。昔の西部、ピアノは馬車で酒場まで運ばれ、調律師はめったに来ない。ホンキーは文字通り、あまり固くないと言う意味。
それで調子はずれのまま演奏されていたので、そのサウンドは今も演出として残っている。
昔の地方都市の地図を見ると、「サルーン」と記されているのがホンキートンク的な場所だっただろう。「ステーキハウス」とカジノが一緒になっているところもあり、買う行為は州によっては今でも合法。
ホンキートンクで演奏されたサウンドは、明確に欧州民族音楽の流れで欧州各地からアメリカ大陸に多くの移民が来た19世紀に曲が楽器と共に運び込まれた。
現在でもこのサウンドはアメリカ以外では英国、スコットランド、アイルランド、カナダ、ドイツなど欧州、オーストラリアなどでは売れているので、その辺りの人々だろう。
例えば、ポルカのリズムはカントリーミュージックによく出るが、
ポルカは東欧、ポーランド、チェコあたりからスペインバスクまでの欧州山岳民族のリズムだと言われている。欧州のローカル音楽を聴くと雰囲気的共通点は沢山ある。東欧やジプシー音楽、フィドルそしてヨーデルなどの音色はそうだ。ユダヤ系音楽はむしろジャズになったのではないか?
歌、クローズ・アプ・ザ・ホンキートンク(Close Up The Honky Tonk)はホンキートンクで拾って来た女は、ホンキートンクに鍵を掛けキーを捨てなければ家に定着しない、と言う歌だ。デワイトがリッチな百姓になり女が毎日出て行くのを横目で見ていると言う設定だ。ホンキートンクは女性にとっても稼げる場所。