3、ビンス・ギル「ベーカーズフィールド」

Vince Gill and Paul Franklin‘s [Bakersfield]

1990年代以降のミュージッシャン、彼ら以前のベイカーフィールドサウンドをどうとらえているか、高めの声のビンスとペダルスティールギターの名手ポール・フランクリンのスタジオでのコラボはとても興味があった。ビンスは1957年生れ、ポールは54年。

(このスタジオアルバムの表紙は街のサインとバック・オーエンスのキャデラックのイラスト、’60年代の雰囲気でとてもしゃれてる。)

結果は以下の曲目に表れているが、オーエンスとハガードの半々、1曲だけトニー・コリンズが入っていたが、これもバックの持ち歌。
ベーカーズフィールドサウンドはこの2人だけのものではなかったが、彼ら無くしてあのサウンドなしは事実だ。

(この二人が赤ん坊の頃のサウンド)


曲目は
1 Foolin’ Around , Halen Howard and Buck Owens
2 Branded Man, Merle Haggard
3 Together Again, Owens
4 The Bottle Let Me Down, Haggard
5 He Don’t Deserve You Anymore, Arty Lange and Owens
6 I Could Be Myself When With You, Haggard
7 No Body’s Fool But Yours, Owens
8 Holding Things Together, Haggard
9 But I Do, Tommy Collins
10 The Fightin’ Side Of Me, Haggard
2のハガードの歌は彼の人生そのもの「烙印を押された男」はハガードが前科者であった過去を唄ったものだ。
1の「フーリングアラウンド」は面白い曲で、結婚した時から浮気していた女に歌う唄だ。
「そんなことは初めから分かっていたが指輪を返せ、心も返せ、でも2-3回浮気したら
戻ってきてうちでフーリングしよう」と言う大人の台詞だ。
この選曲で気が付いたが、カントリーの男はホンキートンクの女だけでなく、自分よりちょっと上、生まれとか知性の女を思う内容があり面白い。ハガードの「I can’t Be Myself When I’m With You.」やオーエンスの「No Body’s Fool But Yours」などに感じられた。
オーエンスのサウンドはこの2人の唄と演奏にとても合うが、ハガードは違った構成なので、そこが少し不満な点か。

(スタジオの2人)


このアルバムは売り上げも良かったと言うことで、現在のカントリー界ではもうメインでないベイカーズフィールドサウンドを取り上げた点は現地でも評価されていた。続編が出来ると良い。