5、カントリーミュージックと文明

さらに僕が勝手に文明論を言うと、アメリカの全ての娯楽に共通しているが、カントリーミュージックにはふたつの大きなエポックがあったと思う。
ひとつはフォードの「モータリゼーション」だ。

フォードT27

もう一つは「ラジオ」だ。この二つの文明は音楽の流行を早くして、ライブも盛んになった。

WSMのタワー


自動車は人々の移動と楽器の運搬を容易にした。
ラジオはライブも録音も、信じられないほど多くの人々に音楽を楽しませた。流行る曲や歌手が出た。
でも1929年の大恐慌は人々の暮し、特に南西部の人々に大きな影響を与えた。音楽の内容も人々の心と同じく複雑になったのではないか。
更に、戦争と言う要素があったと思う。第一次大戦、第二次大戦の期間中、若者たちは故郷を離れ、カノジョと別れ戦地に行った。
歌のテーマと楽しみ方には事欠かない。

車とラジオは物理的に音楽の発展に貢献したが、そのふたつを合わせた文化が生また。それは今でもアメリカでとてもポピュラーだ。田舎では人々が通勤の行き来に誰もが車を利用してカーラジオで音楽を楽しむ。人気のDJはとても影響力がある。ラジオ局はローカルなスポンサーを付けて絶えず放送を続ける。この文化は1930年代から現在まで100年間以上も続いている。放送回数は曲のランキング要素にもなる。これは全国FMカントリーミュージック曲だ。